サブドメインを切り出して、別サーバへ逆引きの権限委任を行う仕組みと設定について解説します。
設計の条件としては、下記になります。
・サブドメインの権限委任を別サーバで行う
・切り出すサブドメインが管理するサブネットは第4オクテットの/24以下である
逆引きにおけるサブドメイン権限委任の設定
次のネットワーク図を例に解説します。alpha.jp内のDNSがbeta.jp内のDNSへサブドメインの委任を行います。
サブドメインの範囲は200.100.10.240/28(第4オクテッドの範囲を委任)とします。
今回Clientからmail1.beta.jpのグローバルIPである、200.100.10.244の逆引きを行います。
この場合最終的に解決するサブドメインは、「244.10.100.200.in-addr.arpa.」となります。
CacheDNSから権威DNSへの反復問い合わせの流れ
- CacheDNSから、ルートDNSに「244.10.100.200.in-addr.arpa.」のホスト名を問い合わせ
- CacheDNSから、「arpa.」管轄DNSへ問い合わせ
- CacheDNSから、「in-addr.arpa.」管轄DNSへ問い合わせ
- CacheDNSから、「200.in-addr.arpa.」管轄DNSへ問い合わせ
- CacheDNSから、「100.200.in-addr.arpa.」管轄DNSへ問い合わせ
- CacheDNSから、name1.alpha.jpへ問い合わせ
- name1.alpha.jpはCacheDNSへ、上記のCNAME及びNSレコードを返答し、dns1.beta.jpへ問い合わせるよう促す
- CacheDNSから、dns1.beta.jpへ「244.sub240.10.100.200.in-addr.arpa」を問い合わせ
- dns1.beta.jpからCacheDNSにレスポンスが返される
→ルートDNSから「in-addr.arpa.」は「arpa.」管轄DNSへ聞けと返答(そのIPもAレコードで返答)
→「arpa.」管轄DNSから「200.in-addr.arpa.」は「in-addr.arpa.」管轄DNSへ聞けと返答(そのIPもAレコードで返答)
→「in-addr.arpa.」管轄DNSから「100.200.in-addr.arpa.」は「200.in-addr.arpa.」管轄DNSへ聞けと返答(そのIPもAレコードで返答)
→「200.in-addr.arpa.」管轄DNSから「10.100.200.in-addr.arpa.」は「100.200.in-addr.arpa.」管轄DNSへ聞けと返答(そのIPもAレコードで返答)
→「100.200.in-addr.arpa.」管轄DNSから「244.10.100.200.in-addr.arpa.」は「10.100.200.in-addr.arpa.」管轄DNS「name1.alpha.jp」へ聞けと返答(そのIPもAレコードで返答)
❶name1.alpha.jpはnamed.conf中にある「10.100.200.in-addr.arpa.」を管轄するゾーンファイル「10.100.200.rev」を見る
name1.alpha.jpは「10.100.200.rev」を見て以下のことが分かる
❷CNAMEレコードより「244.10.100.200.in-addr.arpa」は、「244.sub240.10.100.200.in-addr.arpa」の別名である
※「244.sub240」がサブネット「244/28」を表しています。
❸NSレコードより、サブドメイン「sub240.10.100.200.in-addr.arpa.」は、dns1.beta.jp.が管理している
→dns1.beta.jpは、named.conf中にある「sub240.10.100.200.in-addr.arpa.」を管轄するゾーンファイル「sub240.10.100.200.rev」を見る
→ゾーンファイル「sub240.10.100.200.rev」中のPTRレコードにより、244.10.100.200のホスト名はmail1.beta.jpであることが分かる
|
|