下図のNW構成にて、経路障害が発生した場合に、HSRPステータスの変化で通信経路がどう切り替わるかを解説します。
まずはSW5→SW3→SW1を主経路とする主従経路を設定し、200.200.200.1/32から100.100.100.1/32へ連続してPing疎通が行えるかを確認します。
その状態で経路上に障害を発生させて、Pingの断時間を計測することで通信影響を判断します。障害パターンとして、次の3パターンで検証します。
①SW3の電源断
②SW3の電源復旧
③SW3のOS再起動
通常時
SW3,4間では、HSRP Helloパケット(3秒間隔)を送受して上り通信からのゲートウェイ(Vlan30のVIP)を冗長化します。
SW5,6間をTrunkポートにして、同一セグメント内をHelloパケットがSW4へ渡れるようにします。
①SW3電源断時
通常Act/Stnが切り替わる場合はActルータからStnルータへresignパケットを送信して即座に切り替わることを促します。しかしSW3はいきなり停止状態となるためSW3からSW4へresignは送信できません。(SW3⇄SW5対向のI/Fをshutdownした場合もresignパケットは送信されません。)
この場合SW4は、SW3から最後のHelloを受け取ってからHoldTimeである10秒経過後にStandbyからActiveに切り替わります。そのため10〜13秒程度の通信断が発生します。
②SW3復旧時(SW3の起動直前)
③SW3 OS再起動直後
SW3は、Reload直後にresignメッセージをSW4に送信します。
resignパケットを受け取ったSW4は即時にStandbyからActiveに切り替わります。そのため通信断は2秒程度となります。